専門家コラム「複数の企業が連携し、助け合って難局を乗り越える『連携事業継続力強化計画』」(2024年11月)
1.はじめに 近年は、気候変動の影響により、毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が発生しています。 安全・安心を確保し、国民の命と暮らしを守るため、災害リスクに対する脆弱性を克服することは待ったなしの課題であり、防災・減災が主…
専門家コラム「2025年度の人事関連法改正」(2024年11月)
はじめに 働き方改革が進む日本経済において「2024年問題」が大きな話題になりました。運用業などで労働時間の規制が強まり(正確には経過措置が終了し)、「これまで運べていた荷物が、これまでと同じ方法では運べなくなる」ことで物流の停滞や運用費の…
専門家コラム「私が実践してきた「人を大切にする経営」と「人的資本経営」」(2024年10月)
ここ5年ぐらいで、人を大切にする経営、人的資本経営という言葉をよく聞くようになりました。 私自身、30人程度の中小企業を経営して早6年が経過しようとしています。 もともと30年近くの歴史ある会社の事業を継承したため、ある程度の土台ができあが…
専門家コラム「経営効率を高める「引き算」の実践的アプローチ」(2024年10月)
1.はじめに 中小企業は、限られた経営資源のなかで日々の業務をこなしながら、さまざまな課題に対応する必要がある。少子化や温暖化といった社会変化が急速に進んでいる今、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーシ…
専門家コラム「アジャイル型開発手法『スクラム』のビジネスでの応用について」(2024年10月)
◆はじめに 現在、中小企業を取り巻く環境は、かつてないほど変化が激しくなってきています。ポストコロナに伴う社会環境の変化、地政学的リスク、物価高、物流コストの増加、インバウンドの拡大、デジタル化の加速など顧客のニーズや価値観は多様化し、競合…
専門家コラム「新規事業の検討について」(2024年9月)
筆者は新規事業関係のご支援が好きで、よく携わらせていただいている。今回は、企業様に向けて、少なからず関心をお持ちと思われる新規事業の検討について、以下の順番でご紹介したい。 新規事業立ち上げニーズが増えている 企業が新規事業の検討を始める…
専門家コラム「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(東京都中小企業振興公社)申請のポイント」(2024年9月)
今年4月から東京都中小企業振興公社で新しい補助事業が開始されている。今回は、当補助事業における申請のポイントについて説明したい。 当事業の目的は、「ポストコロナ等における事業環境の変化を課題と捉え、対応策として、事業者が創意工夫のもと、これ…
専門家コラム「親の介護で親のお金が引き出せない?今からできる預金凍結対策10選」(2024年8月)
0 はじめに 親のことを大切に思う皆さんへ。親の預金が急に下ろせなくなる事態に直面する家族が増えています。特に、認知症や健康問題が原因で、預金が凍結されることがありますが、親が元気なうちにしっかりと準備をしておけば、こうしたトラブルを避ける…
専門家コラム「補助金の加点項目~社会的課題への対応~について」(2024年8月)
今回は、補助金の加点項目の対象となっている、国の施策・事業を紹介します。 補助金の申請では、審査項目に合った事業計画の策定が重要となります。そして、加点項目を積み上げていけばさらに採択率が高まります。 補助金にて、加点項目は多種用意されてい…
専門家コラム「物価上昇と中小企業経営」(2024年7月)
岸田文雄首相は2024年4月の経済財政諮問会議において「今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現する、そして、来年以降に、物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる」と述べている。これまで、物価安定、賃金安定の経済運営に慣れていた私たちにとって、…
専門家コラム「緊急事態に備える中小企業の事業継続力強化計画」(2024年7月)
1.はじめに 令和6年1月1日に発生した能登半島地震は記憶に新しく、日本は世界有数の地震大国と言われています。巨大地震などの自然災害や自然災害以外のリスク(感染症やサイバー攻撃等)が顕在化しており、中小企業においても緊急事態発生時に事業を継…
専門家コラム 「小規模事業者持続化補助金申請のポイント最新版」(2024年6月)
本コラムの目的 第15回受付締切分(2024年3月14日締切)から、小規模事業者持続化補助金の申請方法が、大きく変わりました。本コラムでは、その変更点を踏まえ、小規模事業者持続化補助金申請のポイントを説明します。 申請方法変更…
専門家コラム「ジョブ・クラフティングの基本:期待効果と注意点」(2024年6月)
あなたにとって、仕事を通じて実現したい、やりがいを感じたいことは何でしょうか。 昨今の「ジョブ(Job)」にまつわる話題を突き詰めていくと、この問いに行き当たります。大企業を中心に、いわゆる「ジョブ型」を意識した雇用制度、ひいては人事制度…
専門家コラム「取引開始前の与信調査や債権回収時の資産調査に有用な登記情報」(2024年5月)
1.帝国データバンクの記事によると、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の倒産件数は前年度から2,082件増えて8,881件となり、9年ぶりの高水準(増加率は過去30年でもっとも高い)とのことです。 帝国データバンク「…
専門家コラム「ダイバーシティ経営~高齢者編~」(2024年5月)
前回は、専門家コラム「ダイバーシティ・経営のすゝめ」で、多様な人材の必要性等について触れさせていただきました。今回は、多様な人材の中でも、年齢で見た際の「高齢者」について一緒に考えられたらと思います。 〇高齢者の現状 令和5年版高齢社会…
専門家コラム「基本が大事;事業の継続性は“強み”を育成すること」(2024年4月)
新型コロナウイルスの蔓延、エネルギー価格の高騰等原材料費を初めとする資材の高騰など外部環境の変化、震災等による生活基盤の喪失等、それも中小企業として統制不可能な要因で外部環境が激変している。 その中で、持続化補助金やゼロゼロ融資等による…
専門家コラム「アメリカ企業の動向から考えるテレワーク運用の見直しの重要性」(2024年4月)
■アメリカ企業におけるテレワーク動向 新型コロナウイルスの影響で、急速にテレワークが普及しました。総務省の通信利用動向調査(令和4年)によると、令和4年のテレワーク導入状況としては、「導入している」と「導入していないが、今後導入予定がある」…
専門家コラム「広告制作“力”を全国へ展開」(2024年4月)
1.広告制作業をフランチャイズにした会社 (1)フランチャイジー募集 A株式会社は映像広告を制作する会社です。2016年に創業し、制作された広告はホームページに掲載されているものだけで約70本。従業員は社長おひとり、映像作成にあたっては、作…
専門家コラム「どんな変化にも対応できる!最強のチームの作り方~組織学習の機能を効果的に取り入れる~」(2024年3月)
皆さん、こんにちは。中小企業診断士の齋藤司昂です。 普段は、企業研修の講師や人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成や組織づくりのお手伝いをしています。 今回のコラムでは、組織学習を学び、自チームに取り入れるための考え方をお伝えします。…
専門家コラム「中小企業における生成AIの活用について」(2024年3月)
2023年6月に実施された帝国データバンクのアンケート結果※1によると、【業務で活用している】と回答した企業の割合は %であり、【業務での活用を検討】している企業は %と全体の半数を超えている。つまり、生成 AI を『活用・検討』している…
専門家コラム「手軽にデジタル化!ノーコードツールの活用で開く未来」(2024年2月)
【デジタル時代のビジネス戦略~ノーコードツールの威力~】 現代のビジネス環境は、デジタル技術の急速な進化によって、絶えず変化し続けています。このデジタル時代において、企業は常に効率的かつ柔軟な戦略を求められています。とくに中小企業にとって…
専門家コラム「テレワークは、新しい働き方から当たり前の働き方へ」(2024年2月)
新型コロナウィルス感染症の流行による緊急事態宣言でテレワークの導入が進みました。今後、新型コロナウィルス感染症の影響がなくなっても、地震、台風といった自然災害の多い日本では、事業継続性の確保(BCP対策)として取り組みが継続すると考えられ…
専門家コラム「中小企業こそ知るべきカーボンニュートラルの「経営的メリット」」(2024年1月)
1.カーボンニュートラルとは? 異常気象による夏の猛暑や大雨による洪水、農作物や漁獲量への影響など、皆さんも地球温暖化の影響を身近に感じているのではないでしょうか。温暖化による気候変動を防ぐために重要なのが、カーボンニュートラルの実現です…
専門家コラム「小規模、中小企業だから有利な市場を研究してみよう」(2023年12月)
いつも本コラム、愛読いただき有難うございます。 「小規模事業者、中小企業者だから有利な市場を研究してみよう?」と言われても、「そんなことあるの?」等ピンとこない方も多いと拝察します。 何故ならば、自由競争市場の我が国において、ヒト、モ…
専門家コラム「中小企業の再生支援について~第3回~」(2023年11月)
中小企業の再生支援についての第3回目として、「ポストコロナ、アフターコロナの中小企業再生」をテーマに2022年4月から開始された「収益力改善支援」などの制度についてご紹介いたします。 2019年9月3日発行の中央支部メールマガジン及び202…
専門家コラム「ローカルベンチマークで経営分析を行いましょう」(2023年11月)
経済産業省が推奨する経営診断ツール「ローカルベンチマーク」を利用して、自社の現状を見える化しましょう。「ローカルベンチマーク」の三つの入力シート「財務分析」、「商流・業務フロー」、「4つの視点」について説明します。 (1)ローカルベンチマー…
専門家コラム「後継者支援におけるエニアグラムの活用」(2023年10月)
1.後継者支援の現場から 事業承継は2021年時点でも7割が同族承継・従業員承継で1)、昨今は「見えない」会社の資産、社風や組織の結びつき・リーダーシップをどのように引き継ぐのか、その重要性が認識されております。そのため ・ 中長期経営計…
専門家コラム「健康経営優良法人 無理なく進める2年後の取得を目指したスケジュール」(2023年10月)
1.健康経営に取り組む企業は10万社を超えている このコラムが掲載される10月上旬は、健康経営優良法人の申請締切がせまり、健康経営優良法人認定を目指す企業にとっては忙しい時期です。 昨年度の中小規模法人部門の認定数は約14,000社でした…
専門家コラム「会社ブログやお店ブログにはこれを書きましょう」(2023年9月)
会社やお店の情報発信ツールにブログがあります。個人のブログと区別して会社ブログや企業ブログ、お店ブログと呼ばれています。 今回は、読まれる、反応がある、集客や商談につながるなど、手応えを感じる会社ブログの書き方、題材(ネタ)の考え方を、…
専門家コラム「ソーシャルファーム的経営のススメ。」(2023年9月)
私事で恐縮ですが、ここ最近東京しごと財団に携わる機会が増え、今まで苦手で避けていた「ヒト」関連のお仕事の比率が増えつつあります。私自身、そろそろ中小企業の永遠のテーマである「ヒト」の課題に関して何らかの答えを出すべくマジメに取り組まねば……
専門家コラム「VUCAの時代に未来を描くシナリオプランニング」(2023年8月)
世界情勢の流動化やコロナ禍のような不測の事態が起きる現代において、未来がどのように変化するのか、その未来に対してどのような備えをしておけばよいのでしょうか。本稿では、シナリオプランニングがどのように経営に活用できるか説明します。 シナリオ…
専門家コラム「人が心をひらく効果的な聴き方」(2023年8月)
0.序章 私は経営改革のために、延べ2000人以上にインタビューをしてきました。そのなかで気づいたことがあります。人は誰かに話を聴いてほしいのだと。人は意外に真剣に人の話を聴いていないのです。一番よくないのは「から返事」。テレビやスマホを見…
専門家コラム「自社に関わる人を大切にしてウェルビーイング(Well-being)を高めるには」(2023年7月)
1. ウェルビーイング(Well-being)とは ウェルビーイングとは日本語で幸福と訳される言葉ですが、最近では身体的にも精神的にも社会的にも健康な状態を表す概念として認識されています。これは、世界保健機関(WHO)憲章におけ…
専門家コラム「中小企業のDX:ビジネスモデルと企業文化の変革を実現するデザイン経営」(2023年6月)
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何でしょうか? 2018年に経済産業省は、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、…
専門家コラム「ザ・交渉術~交渉がうまくいく術~」(2023年5月)
タイトル「ザ・交渉術~交渉がうまくいく術~」 1.はじめに 交渉事はうまく行っていますか? みなさまは、会社や家庭、地域のコミュニティや、仲間・友人のコミュニティなど色々な場面で様々な交渉をされていると思います。 私は会社員時代、とある広告…
専門家コラム「労働市場流動化の波に乗ろう」(2023年5月)
岸田首相が掲げる「新しい資本主義」。これは、2021年の自民党総裁選で提唱した経済政策ですが、当初は「?」という感想をお持ちの方も多かったことでしょう。しかし、ここにきて解像度が上がってきました。「新しい資本主義」を実現する手段が徐々に見え…
専門家コラム「DX時代のリスキリングにデジタルスキル標準を活かす」(2023年5月)
はじめに 経済産業省が2018年9月にDXレポートを発表してから、もうすぐ5年になります。コロナ禍も加わって、社会のデジタル化は驚くような速さで進みました。中小企業にとっても、デジタルを使って製品・サービスや社内業務を変革していくことは、も…
専門家コラム「人を大切する経営」(2023年4月)
はじめに 長く続いたコロナ禍がようやく出口に差し掛かってきた一方で、ロシア・ウクライナ問題には未だ出口が見通せず、世界的に大きな経済的問題をもたらしています。また、我が国ではバブル崩壊後の失われた10年以降立ち直れず経済低迷がつづき、GDP…
専門家コラム「作ろう!「従業員の羅針盤となるミッション、ビジョン、コンセプト」」(2023年4月)
はじめに 経営者の方の中には、「自分の思うような行動をしてくれない」「組織としての価値が共有されず、別々の方向に進んでいる」「そんなこと聞かなくても分かるだろ」という思いを従業員の方にいだいている方もおられるのではないでしょうか? そのよう…
専門家コラム「ChatGPTとは何か?- OpenAIの最新言語モデル」(2023年4月)
さて、ここまでお読みになって何か違和感を感じましたか。実は、本コラムのタイトルとここまでの文書は、「ChatGPTについて専門家コラムを執筆するので、文章例をください。」というChatGPTに対する質問の答えです。すなわちChatGPTが答…
専門家コラム「ITツールを用いて、売上減少の原因を分析する方法」(2023年3月)
はじめに 会計システムの普及により売上データは記録されていますが、多くの中小企業は売上データを分析には活用できていません。ここでは、エクセルや無料のBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)を用いて、売上データを分析する方法を解説します…
専門家コラム「日本とASEANの関係を考える」(2023年3月)
今年2023年は、日本とASEANの友好協力50周年にあたる。私は、中小企業の海外展開支援(輸出、および拠点設立)を主業務としているが、一番人気はなんと言ってもASEANである。今回の専門家コラムでは、日本とASEANの歴史、関係を考えて…
専門家コラム「価格転嫁浸透策としての下請法遵守」(2023年3月)
政府は近年、日本が物価も賃金も上がらない構造的なデフレにより、安価良質な財・サービスを消費者が享受できた半面、中小企業が人件費を切詰める等してコスト増を吸収し、顧客に価格転嫁を求めにくい商習慣が根付いたことへの反省として下請取引の適正化(…
専門家コラム「バイヤーとの商談を上手く進める方法」(2023年2月)
上手く自社商品売りこめていますか? バイヤーとの商談が苦手で売り込み方が分からない方、自社の営業力販売力を上げたいがどうすればよいかわからない方、新規開拓を行ったがその後うまく進められない方など「商談」がうまくいかずに悩んでいる方に向けて…
専門家コラム「DXにおけるデータ品質とマスターデータの重要性」(2023年2月)
DXに取り組むとなると、AIやIoTなど最先端の技術や設備を導入しないといけないと考えている企業も多いのではないだろうか。DXを推進する中で、いち早く取り組むことができ、効果も高いのは企業が持っているデータの活用を再検討することである。デー…
専門家コラム「原価高騰にどう向き合うべきか?」(2023年1月)
新型コロナウイルス感染症の影響によるサプライチェーン毀損と金融緩和、ウクライナ侵攻を機とした原油や穀物の供給停滞による物価高騰は、今やありとあらゆるものへと波及し国内外で大きな影響を与えるものとなっています。もはやこれらの影響を受けていな…
専門家コラム「中小企業に求められるDXに対する心構え」(2023年1月)
はじめに 「DXは大企業が取り組むもの」と思われるかもしれませんが、中小企業にとっても成長・存続の手段となり得ます。DXの理解を深め、推進するためにどのようにスタートを切ればよいでしょうか。本コラムが、このような悩みをお持ちの経営者のヒン…
専門家コラム「2023年度の人事関連法改正」(2023年1月)
はじめに 2022年度の注目すべき人事関連法改正として、10月に施行された「産後パパ育休」(出生時育児休業)や「育児休業の分割取得」がありました。働き方改革の一環として、我が国において遅れていた男性の育児休業取得を推進するものです。202…
専門家コラム「外部環境把握の重要性―VUCA時代は四半期毎+α」(2022年12月)
はじめに 新型コロナウイルス感染症拡大やウクライナ侵攻、円安など外部環境の変化が経営に大きな影響を与えています。これらは自社の努力で解決することができません。しかし、その状況に甘んじていると経営が立ち行かなくなるおそれもあります。今後どうし…
専門家コラム「中小PMIガイドライン」(2022年11月)
2025年には70歳以上の経営者が245万人となり、約半数の127万人は後継者が未定の大廃業時代が迫っています。国の方針として、事業承継相手のいない会社が増えてきたことに対して、M&Aの専門家費用などを出す事業承継補助金などで第三者…